本研究は、超音波を用いて、ひずみテンソルを時間的・空間的に変動させることで、定常状態とは異なる準安定状態を実現させ、多体効果を操作する技術要素の開発と確立を目指した。時間変調の分解能としては、数百kHzから数十MHzの範囲を当面の研究対象とした。さらに、技術開発だけでは無く、電子デバイス創製を期待させる巨大な物理応答の発掘を目指した。 従来の超音波実験は圧電素子を用いてパルス的な超音波を印加し歪みがゼロ極限での超音波応答を調べる。その際、圧電素子は検出器の役割も果たす。一方、本手法は超音波を力学的外場のソースとしてのみ利用し、そこで電気抵抗測定なり磁気測定なりを実施する。
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