研究課題
超音波顕微鏡や検査映像装置の分解能は、超音波プローブに用いる圧電薄膜の物理特性によって制限されている。感度、分解能、周波数が飛躍的に高まれば、固体物性、非破壊検査分野、生体イメージング分野における学術的意義は大きい。本研究では、研究者が発見した巨大圧電性薄膜と極性反転多層構造のアイディアを組み合わせて、新材料新構造の超音波プローブを開発に成功した。この極性反転多層構造は、当該分野では常識的となっている「薄さと耐電圧性のトレードオフ」を解消するものである。極性反転多層構造を高配向Ti下地電極薄膜を持つ石英基板の上に作製し、プローブを試作した。ここで、反転した各層の膜厚は、ほぼ同じ厚さに揃えてある。ネットワークアナライザ(保有)を用いてプローブの圧電層部分に高周波電界を印加し超音波を発生させ、ロッド裏面で反射して再び圧電層に戻る音波の受波信号を測定した。測定には反射係数S11を逆フーリエ変換したタイムドメイン機能を用いた。一般に映像装置に使われるオシロスコープとプリアンプの構成に比べて、本測定系はヘテロダイン方式を用いていることから、測定時間は長いが低雑音で測定精度は高いと考えられる。あらかじめ機械回路モデル(音響伝送回路モデル)によりシミュレーションした送受波の周波数特性と実験により得られた音波の送受波特性とを比較した。その結果、計画どおり計算で予想した高感度特性が得られていることが確認できた。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 15件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
超音波テクノ(日本工業出版) ,,
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