本研究では、シリコン導波路と光ファイバーや発光・受光素子との高効率で実装性に優れた光結合の実現を目指し、申請者独自の立体湾曲シリコン導波路(エレファントカプラ)技術を活用し、光学特性に優れた表面出射型のシリコン光結合器の創生を行う。本年度は、2年計画の第2年度として、下記の研究を行った。 前年度の研究成果を元にLDやPDなどのアクティブデバイスとの光結合を前提とした実験用デバイスのプロセスを開発した。テーパー構造と、セカンドコア構造の両方を付加した構造も含めて、スポットサイズ制御に適したデバイスを電磁界シミュレーションを実施しながら設計し、スポットサイズ径が5マイクロメートルのLDとの光結合を目標にテスト導波路を作製した。 また、平行して、アクティブデバイスとの光結合実証実験系の構築を実施した。前年度に引続き、数mm角にダイシングしたテスト導波路チップに対して、表面方向から市販のLDチップやPDチップを接近させ光結合を実現するための測定系構築を実施した。具体的には、テストチップ・アクティブデバイス・デバイスへの光入射用の光ファイバの3つのアクティブ調芯ステージ系(各6軸の精密ステージ機構で構成)を構築し、光結合の効率をモニターしながら各ステージの微調整を実施可能なアクティブ調芯システムを構築した。 その後、作製したテスト導波路と、構築した測定計を用いて、光結合実証実験を実施し、た。テーパーの有無、セカンドコアとレンズの有無による光結合効率の違いを計測し、スポットサイズ径が5マイクロメートルのエレファントカプラが作製でき、高効率の光結合が実現できることを確認した。
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