研究課題
本研究では,帯域の異なる超広帯域システム間の境界において,帯域整合を行う光シリアル-パラレル変換のための新しい高密度な手法の創出を目的とし,新しい“多重化方式”と “時間レンズ”を利用した独創的な方法の実現に挑戦する.特に,本研究では,時間的に高密度なナイキストパルスの導入に挑戦することにより,低消費電力化とスペクトル利用効率に関して構成デバイスの物理的制限を受けていた従来の光シリアル-パラレル変換における性能限界の打破を試みる.今年度は,“線形な”時間レンズを用いたナイキストパルスの発生方法を実験的に確立するために,ナイキストパルスと時間レンズを介して理論的に変換が可能な新しい多重化方式であるフラクショナル光周波数分割多重方式(Fr-OFDM)からのナイキストパルス列の発生を試みた.本研究では,低消費電力化を念頭に“線形な”時間レンズとして光ファイバの伝搬現象を直接的に用いるために,実際の光ファイバの仕様(波長分散,偏波分散,損失,長さ等)によって発生するナイキストパルスの状態が大きく影響を受ける.そこで,計算機シミュレーションにより発生の様子を検証した.また,発生されるパルスの波形計測結果を適宜フィードバックしながらマルチキャリア生成用の波形整形器を精密に調整し,実際の光ファイバの仕様に整合した高密度なナイキストパルス列の生成を目指した.その結果,Fr-OFDMにおける三つのマルチキャリアが,時間レンズを介してトリプルナイキストパルス列への変換が可能であることを確認した.
2: おおむね順調に進展している
今年度は,“線形な”時間レンズを用いたナイキストパルスの発生方法を実験的に確立する事を目標に設定した.具体的には,ナイキストパルスと時間レンズを介して理論的に変換が可能な新しい多重化方式であるフラクショナル光周波数分割多重方式(Fr-OFDM)からのナイキストパルス列の発生を試みた.発生されるパルスの波形計測結果を適宜フィードバックしながらマルチキャリア生成用の波形整形器を精密に調整し,実際の光ファイバの仕様に整合した高密度なナイキストパルス列の生成を目指した結果,Fr-OFDMにおける三つのマルチキャリアが,時間レンズを介してトリプルナイキストパルス列への変換が可能であることを計画通り確認したため上記の評価とした.
本研究では,帯域の異なる超広帯域システム間の境界において,帯域整合を行う光シリアル-パラレル変換のための新しい高密度な手法の創出を目的とし,新しい“多重化方式”と“時間レンズ”を利用した独創的な方法の実現に挑戦する.特に,本研究では,時間的に高密度なナイキストパルスの導入に挑戦することにより,低消費電力化とスペクトル利用効率に関して構成デバイスの物理的制限を受けていた従来の光シリアル-パラレル変換における性能限界の打破を試みる.今後は、得られたトリプルナイキストパルス列への変調信号の重畳を試み、さらに逆の時間レンズを介してFr-OFDMにおける各マルチキャリアに変換することによりシリアル-パラレル変換の一連の基本動作実証を試みる。
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