研究課題
1.有限体上の多値論理関数は多値論理多項式と1対1に対応することは有名な事実である.研究代表者は,この事実を,有限体に含まれる半群の直積を定義域とする多値論理関数に対し一般化し,畳み込み定理および多値論理多項式の間の積に対する高速計算法を確立した.この1対1対応は,離散フーリエ変換の類似によって与えられ,またこの離散フーリエ変換の類似はアフィン多様体符号の復号化で用いるものとは転置の関係になっていることも示した.2.ユークリッド整域における剰余環上の誤り訂正符号について調べた.これは特別な場合として準巡回符号や整数符号を含む.まず,modulo aおよびmodulo bの符号の生成行列の積により,modulo abの全ての符号の生成行列が作られることを示した.また, aとbが互いに素の時,この対応は1対1であることも示した.次に,有理整数環,1変数多項式環,GaussおよびEisenstein整数環,p進整数環,1変数形式的巾級数環のような典型的なユークリッド整域についてより詳細に調べた.これらのユークリッド整域上の行列のHecke環に対し,本研究で得られた被約生成行列の理論を応用し,ある種の生成行列の数え上げ公式を得た.3.整数符号とは,整数剰余環上の誤り訂正符号として定義されるものである.本研究では,整数符号の構成を素数冪の法の場合に帰着できることを示した.つまり,小さな素数冪の法で効率的に整数符号を探索することができ,大きな合成数の法を持つ目標とする整数符号を構成することができる.さらに,この法の素因数分解は,自己直交および自己双対整数符号の構成に有用であることも示した.すなわち,素数冪の法を持つ整数符号に対するこれらの特性は,合成数の法を持つ整数符号を構成しても保存されるという性質を持つ.
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MDPI Mathematics
巻: vol.5, no.4, 82 ページ: -
10.3390/math5040082
https://www.toyota-ti.ac.jp/Lab/Denshi/InfoComm/index_ja.html
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