研究課題/領域番号 |
15K13998
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
梅澤 泰史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70342756)
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研究分担者 |
西舘 泉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70375319)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 乾燥耐性 / 分光計測法 / ハイパースペクトルイメージング / オオムギ |
研究実績の概要 |
昨今、地球温暖化や世界的な干ばつなど様々な環境問題が農業生産の障害となっている。植物の生育は様々な環境要因によって左右されるため、生産現場等で植物の状態を迅速・簡便・広範囲にモニタリングできる技術が必要である。本課題では、3チャンネルRGB画像を用いて撮影対象のスペクトル情報をピクセル毎に推定し、多波長分光画像を再構成する方式によって、低コストかつ簡便に植物のストレス状態をモニタリングする技術を確立する。本研究の特徴は、汎用的なRGBカメラを用いる点と、赤外遮光フィルターを除去することで広範囲のスペクトル情報を一度に取得し、光伝搬理論に基づき植物内部の情報や変化を推定する点である。この技術を最適化し、実際の作物に適用して低コストかつハイスループットな乾燥ストレス評価システムを構築する。 本年度は、測定試料とするオオムギ種子を入手し、栽培条件の検討を行った。その結果、気温21度、明期16時間および暗期8時間のサイクルで、強行条件で栽培する条件を設定した。また、育成した植物体に乾燥ストレスを施し、順次汎用RGBセンサーによる計測を行った。現在、データを解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、汎用RGBセンサーを用いて植物体のイメージングを行い、植物の状態をモニターする技術の開発を目指している。そのためには、計測回数の確保が必要であるが、オオムギ植物体の準備に時間がかかっており、当初予定していただけの計測回数に達していない。しかしながら、栽培条件の設定が終わり、現在順調に計測を開始していることから、当初の目的は達成できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本課題では、汎用RGBセンサーを利用して、植物葉表面のピクセルごとの推定スペクトル情報を基に多波長分光画像を再構成することによって、植物のストレス状態を推定することが目標である。前年度までに、オオムギ植物体の栽培条件およびストレス処理条件の確立と、イメージングの予備実験を終えたので、本年度は本格的に画像を取得し、えられた画像データから光り伝搬理論による植物の内部状態の推定、およびストレス程度の評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗状況に記載の通り、オオムギの栽培条件の設定に時間がかかり、植物試料の測定回数が当初予定していた回数に達しなかったため、その経費分を繰り越すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
不足分の植物試料の測定を今年度上半期に行い、必要なデータを収集する。
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