| 研究課題/領域番号 |
15K14005
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| 研究機関 | 福岡工業大学 |
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研究代表者 |
近木 祐一郎 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10398109)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | レーザSAR / レーザレーダ / 超広帯域発振器 |
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| 研究実績の概要 |
1cm級分解能を有するレーザレーダに必要不可欠な超広帯域高精度遅延制御デジタル発振器を開発すべく1年度目の研究開発を進めた。発振器はデジタル制御部とRF部より構成される。申請時に15GHz超の帯域幅を持つRF部の回路構成について設計を終えていたが、予算の都合もあり、設計上4GHzの帯域幅へと減らした。ただし、設計変更されたRF部に4逓倍器を付け加えることで簡単に15GHz超の発振器にできるように今後の発展性を考慮してある。
発振器の各部において、デジタル制御部はFPGAの開発ボードを利用し安価になるようにした。RF部は狭帯域デジタル発振器と周波数変換器より構成されるが、デジタル発振器は回路基板を新たに製作した。周波数変換器部は市販のマイクロ波回路コンポーネントを組み合わせて製作した。デジタル制御部と狭帯域デジタル発振器を1つのNIMケースに、周波数変換器部をもう1つのNIMケースに実装した。
2月に回路が納品され、現在はデジタル制御部と狭帯域発振器間の組み込み通信プログラムの開発を行っている。発生する超広帯域FMパルスは、レーザレーダを搭載する航空機の移動及び揺動に対応し、初期周波数および発生タイミングを高速で制御する必要がある。上記通信ではシリアル通信を利用するが、少なくとも50MHzの動作クロックでシリアル通信が行えることを確認できた。これは1μ秒でFMパルスのパラメータを変更できることを意味しており、FMパルス幅は10μ秒以上の幅を持つことから、十分な速度を有していることが確認された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
設計変更に伴い、納品が若干遅延したが、概ね計画通りに研究は進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究計画書に述べたとおり、実験室内において超広帯域FMパルス（送受信波パルス）を発生させ、発信出力のスプリアス評価を行う。
次に、高精度に遅延量を制御できるか確認を行うが、具体的には、信波パルスを既存の光変調・復調器により光ファイバー遅延線路(長さ10 km、既存)を伝搬させる。透過してくる受信波パルスと、発振器により再生成される参照波パルスをミキサにより干渉させ、オシロスコープで観測する。発振器の設定を固定動作させた場合は、位相が固定された単一周波数成分を持つ干渉信号を確認することで発振器の動作を評価できる。発振器の設定を模擬的に変化させた場合は、遅延量の変化に伴い、観測される周波数と初期位相が時々刻々と変化する。観測される初期位相と、発振器に与えた座標情報から計算できる干渉信号の初期位相の推定値を比較し、遅延量制御の評価を行う。
また、上記光ファイバーの伝搬実験において、発振器出力のスプリアスがオシロスコープの観測波形に与える影響についても検討を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
開発予算の制限から物品のスペック調整を行い、それら必要な物品を購入した。また狭帯域発振器回路基板は通信仕様の変更から、再設計が必要となり今回の差額以上に高額となったため、福岡工業大学の独自の予算を利用して製作を行ったことから予算に差異が生じた。しかし、当初計画額と配分額の違いにより生じた上記の計画変更により生まれた上記助成金金額は、当初の計画書に記載した次年度の研究を遂行する予算と概ね一致していることから、今後もまたスムーズに計画を実行に移せると考えている。
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| 次年度使用額の使用計画 |
ハードウェアは全て購入及び製作を終え、ソフトウェアの構築及び改修を引き続き進めていく必要がある。
具体的には、発振器運転簡易プログラム（WINDOWSソフトウェア）の開発、および通信用FPGA組込ソフト改修のプログラム開発支援費（アルバイト代）が必要であり、次年度使用額は計画書通り、それらに充当する予定である。
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