本研究では、プレストレストコンクリート(PC)部材におけるプレストレスを直接測定するため、装置先端に直径10 mm、長さ約100 mmの円筒形の加力部を有するジャッキを開発した。対象のコンクリートに直径約1~数cm程度の小さな円孔を設け、開発したジャッキをその円孔に挿入して加力し、円孔周辺のひずみ分布を計測することによって、作用している圧縮応力(プレストレス)を測定する方法を提案した。さらに、アルカリシリカ反応(ASR)が生じたPC部材における残存プレストレスを評価するために、ASRによって劣化したコンクリートの材料特性、特に弾性係数、ならびにポアソン比を実験的に把握した。
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