有効応力原理や多元応力記述を拡張し、各種の熱力学的要件と連成調和させる形で、凍結土および非凍結土の挙動をシームレスに扱う合理的な力学記述の提案を行った。根拠となる実験データを得るために、対象を2物質3相系(土・液相水・固相水)に限定したうえで、一連の熱-圧力連成力学試験および凍結土の物理試験を行った。粘土・砂など異なる地盤材料に対し、高圧下での融解による強度減少、低圧下での強度の拘束圧依存性など、凍結土の特徴を合理的に説明できるモデル化理論を示すに至った。この枠組みは、連成シミュレータの開発を通して人工凍結工法の高度化や寒冷地自然災害評価の土台になるものである。
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