気候変動に伴い豪雨が頻発し高い河川水位が長く継続する作用下において、河川堤防下の透水性基盤からの漏水、パイピングを切欠とする破堤の原因解明は重要である。本研究では、パイピングを透水による粒子スケールの侵食・目詰まり、土要素や土層スケールの局所的なゆるみ・空洞化、流動化による土砂流や閉塞、構造スケールのすべりを伴う破壊というマルチスケールでの相互作用問題として捉え、数値解析や模型実験でパイピング内部の構造や流速の可視化にチャレンジする。応力鎖の発生・消滅による粒子群のダイナミクスを考慮し、パイピングの発生から発達までの新たな統一的説明に挑戦した。
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