保有水の水質については,海面処分場では時間とともに水質が悪化し廃止基準に達することは難しいが,海水中の廃棄物に含まれる重金属は難溶性態として存在するものが多く,下部の粘土層で嫌気性雰囲気による沈殿形成等の効果も期待され,重金属の移動性は低いと言える。廃棄物地盤や底部粘土層の工学特性に関しては,廃棄物地盤の非排水せん断強度は250~650 kPa程度であり,材齢が長くなるほど強度が増加すること,温度変化により砒素の溶出量が変化すること,底部粘土層を貫通するような杭打設を行っても,正規圧密状態であるなどの地盤条件であれば,粘土-杭間の空隙は閉塞され,境界面の漏水もほとんどないこと等を明らかにした。
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