研究課題/領域番号 |
15K14041
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
作野 裕司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332801)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リモートセンシング / 塩分 / UAV |
研究実績の概要 |
本研究は,「低空から自動で波長分解能のよいデータを取得できる,自立飛行UAVに分光放射計を搭載することにより,閉鎖性水域の非接触塩分測定システムを開発すること」が目的である.この目的を達成するために,1年目はまず,「SeaBASS」と呼ばれるような世界的な海色データベースから高解像度塩分アルゴリズムの開発を行う予定であったが,実際データを取得して解析を始めると,閉鎖性水域のデータセットが非常に少なく,均一なデータセットが十分得られないことが判明した.そこで,閉鎖性水域において均一で豊富なデータセットを取得するために,鳥取県の東郷池において,調査船から分光反射率,CDOM,塩分などの同時測定調査を行った.具体的には,2015年7月21日(10測点),2015年9月8日(6測点),2016年1月5日(12測点)の3時期に計28データセットの取得を行った.このようなデータセットは翌年のCDOM解析に用いられるために,独自のデータベースとしてまとめられた.一方,UAVに分光計を搭載して分光反射率を測定する実験を,2015年9月8日に水質調査とともに行い,良好なデータが取得された.これらのデータの一部は次年度発表予定の学会予稿集,また学会論文集として,学会に提出された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「SeaBASS」の解析は当初の予定通りには行かなかったが,その分,閉鎖性水域である東郷池において現地の分光反射率/水質(CDOM,塩分)データセットの取得は非常に充実したデータを取得することができた.また,2年目に行う予定であった,自立飛行UAVによる分光反射率測定実験も前倒しで行い,最終目的を達するために常に貴重なデータセットを得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は1年目で取得した分光反射率/水質(CDOM,塩分)データセットをさらに増やして,閉鎖性水域水域の非接触塩分推定アルゴリズムの開発・検証を行う予定である.そして,得られた成果は,可能な限り学会発表,学術論文,ホームページなどを通じて公表していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたUAVのオプション購入は,UAV規制に伴う厳しい飛行制限が生じたため,今回の購入は断念し,代わりに業者に委託してUAV観測を行った.この差額や研究計画の変更などにより次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画としては,比較的少額ではあるが,次年度のUAVに搭載する分光計の船舶測定実験結果を外部に報告するための旅費や消耗品等に使用する予定である.
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