本研究は,ナラティブ(物語)型言語活動の定義を理論的に明確化し,公共コミュニケーションの領域にナラティブ型コミュニケーションを適用し,その効果を実証的に検証することを目的とした.ナラティブ論に関する分野横断的レビューを行うことで,時系列で出来事が整理されていること(「時間性」)と,出来事に登場する主体の意図が明確に描写されていること(「主体意図性」)の二つを,ナラティブの主な要素として抽出できた.また,その要素に基づいて,物語型シナリオを作成し,Webアンケートを通じたシナリオ実験を行ったところ,ナラティブ型コミュニケーションの有効性が確認された.
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