研究課題/領域番号 |
15K14050
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
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研究分担者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (60333514)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢者ドライバー / 免許返納 / 地域限定免許 |
研究実績の概要 |
高齢者や軽度認知症ドライバーによる交通事故は喫緊の課題で種々の取り組みが行われている。中山間地域の1.5車線的道路整備に伴う狭隘道路の安全性向上目的に「中山間道路走行支援システム」は開発され複数県で実運用されている。又、高速道路の逆走行ドライバーへの警告も実用化されている。一方、一定年齢になると免許返上を推進することで事故を軽減する取り組みも各地で行われている。しかし、都会では公共交通へ転換出来るが、地方都市では車に依存せざるを得なくなかなか進まない現状が有る。免許返上しても代替交通が不備で結局出不精となり、外部との交流が極端に減ってしまうことが原因で認知症が進むという状況も見られる。多くの研究者や福祉関係者が提案していることは、出来るだけ他人との交流を行うことが重要である。そこで、本研究ではいくつかの制限を設ける事で出来るだけ長く運転を継続する仕組みを検討する。例えば、車の行動範囲は一定地域に限定する“地域限定免許”もその一つである。一般的に高齢者ドライバーの日常的な行動範囲は限られており、その中のみでの運転を許可する仕組みである。本研究でこの実現化のための課題を検討する。最も重要な点はどういう状態のドライバーに本免許を認めるかという免許付与の基準のあり方がある。そこで、客観的に判断する手段として脳のMRIおよび認知機能検査と関連付けを行う。次に重要な点は免許の許容範囲をどう認めるかという点である。特に本免許が必要と思われる地域は過疎が進む中山間地域で、地域住民の協力を得て事前アンケートおよび簡単なツールにて明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高知市鏡・土佐山地区と田野町に対しアンケート調査を実施し、2240通送付し864通の回答を得た。その中には高齢者運転八策と称した、制限事項を設けた質問を行った。(一つに地域限定を記載)両地域の共通的な事項として、回答者の7割以上が60歳以上で、運転歴は10年以上、ほぼ毎日運転実施等であった。更に、20キロ以下の近隣での走行である。そこで、ほぼ半数近くの方が高齢者運転八策が効果的と考えている。そこで、次のステップへの足掛かりを得たと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記課題を検討するために、アンケート結果から協力者を募り、関係者を含めた検討会を立ち上げる予定である。一方、MRIデータに代替する簡易的な手段として、別途開発済みの運転能力テストツールであるDATを使用し、その効果を確認する。更に、運転支援ツールの仕様を検討し、試作を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
運転使用ツールを製作する予定であったが、検討会を立ち上げ、その中でツールの仕様を検討する事が有効であると判断し、繰り越しを行った。
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次年度使用額の使用計画 |
検討会で議論し、その内容により製作ツールの仕様を取り決める予定である。
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