浄水における凝集-膜ろ過では膜表面と内部に水酸化アルミニウムが蓄積し,膜ろ過性を低下させていることが示唆された.そこで,膜のどこに水酸化アルミニウムが蓄積しているのかを検討するために,重水酸化ナトリウムなどを用いて安定同位体で標識ラベルした凝集剤ポリ塩化アルミニウムを作成し,膜ろ過終了後の膜を同位体顕微鏡システムを用いて,重水素/水素比を指標に観察したが,十分な感度が得られなかった.次に,膜ろ過後に膜に重水を通水し水酸化アルミニウムなどの水素を重水素で置換し膜を観察した.膜内部に比べて膜表面は比が高い場所と低い場所が点在していた.膜ファウリング解明への安定同位体顕微鏡に応用の可能性が示せた.
|