エアカソード型MFCを用いて、都市下水に海水を混入させて処理運転を行ったところ、都市下水のみの場合よりもMFCの内部抵抗が1/20、電力出力が1,000倍改善できた。海水混入により浮遊系微生物は有機物摂取能力が都市下水のみの場合よりも抑制されることが、電力出力の改善に関係したことがわかった。次に、正極槽に気体透過膜を導入し、受動的に輸送される酸素を利用して硝化反応を行い、生成した硝酸または亜硝酸を電子受容体として利用する二槽式MFCを運転した。コークス炉模擬廃水を対象とした場合、外部エネルギーを一切用いずに曝気時の約34%の硝化性能を発現し、出力密度62mW/m2を達成できた。
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