研究課題/領域番号 |
15K14080
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
服部 岑生 千葉大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (40009527)
|
研究分担者 |
泉 幸甫 日本大学, 生産工学部, 研究所教授 (30626528)
山岸 輝樹 日本大学, 生産工学部, 助教 (50736155)
鈴木 雅之 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (90334169)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 団地型マンション / 一団地認定 / 空き家 / 建て替え / 合意形成 / コミュニティ / 修復型再生 |
研究実績の概要 |
研究目的「分譲住宅団地の困難な再生の解決方法を探る」:マンション団地が建設され50年が経過し建替えの実現が課題になってきたが、単棟マンションを除きほとんど進んでいない。国の団地型マンションの再生会議が結成された。また一団地認定の解消を都市計画の行政事業として行う点まで法の改正が行われてきた。研究期間内で一歩前進したといえるが、結果は実行性を生み出していない。 研究のねらい:1)合意形成の困難性および建替えイメージの硬直化が固有の本質的難点という認識:一団地認定解消に関わる社会発信を行い、公衆討論で再認識された。参加者である団地管理組合のメンバーは、行政の財政難の中で建替えの事業を行う自治体はない、あるいは、土地の一筆所有の原則にメスを入れない改正は意味がないという意見がクリティカルであった。2)分譲の団地型マンションの建替え再生方法を探る参加型研究:首都圏に立地するタウンハウス団地で適用を開始したが、建替えの本質的な計画に入る前で、現在の問題-大規模修繕計画で賛成が取れないなど-頓挫した。こうした状況に対するWEB調査では、再生の計画に現実感がないこと、大規模住民の賛成を必要とする点の不可能性をどうするかなどが、目立って出た点に通じる。 研究の成果:このような日本の団地建て替えと再生の現場からヨーロッパに目を転じ、有効な成果を得ている意欲的な団地のエリアマネジメント(ドイツ)あるいは近隣計画(イギリス)を見たが、早いモノ勝ちという欠点でなく、意欲的なコミュニティづくりを優先して長期戦の再生に取り組む方法として評価でき、今後普及すべきと考える。また、人口減少や住宅過剰の時代に、再生でなく現在の住宅資産を寿命まで使い切る考え方もあるという結論を得たので、新しい方法論として修復型再生(ライブタウンのケース)をひとつの有効な可能性として提案した。
|