研究課題/領域番号 |
15K14090
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
阿部 順子 椙山女学園大学, 生活科学部, 准教授 (50381455)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小児科病棟 / 付添 / 家族のための空間 / 病院 / 病院 / 小児科 |
研究実績の概要 |
H27年度には、①既往研究のレビュー、②小児科病棟スタッフへのアンケート調査の結果とりまとめ、③ファミリーハウススタッフへのヒアリング調査の継続、④国内外の優れた事例の抽出および現地調査対象施設の選定、を予定していた。 ①②は完了、②については現在、学術論文の形での公開を目指している。③は現在中止している。④は、日本全国の小児科の入院受け入れ可能な病院の特定(1279件)が完了したところであり、これから速やかにアンケート調査を行い、優れた事例を検出したいと考えている。 上記の作業を行いながら、H27年度は有力な病院設計者・当該分野の研究者との協力関係構築に努め、見学会・研究会へ積極的に参加し、本研究の着眼や方法論の見直しを定期的に行ってきた。その結果、上記③は優先順位が低いと判断し、中断している。 ファミリーハウスにに関するこれまでの研究成果を、国際会議European Healthcare Design2016(London, 27-28 June 2016)でポスターセッションで発表することになった。この機会を活かして、ロンドンの小児科病院の調査を行いたく、H27年度にその準備も始めた。この学会への参加によって、欧州の研究者と情報交換できる下地をつくろうと考えている。というのも、日本の病院設計者はしばしばアメリカの事例を参照することが多いように見受けられたため、欧州の情報も取り入れられるようにしたかったからである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進展しているが、以下の2点に遅れが出た。 ①国内の優れた事例の徹底的な抽出のために、小児科患者の入院を受け入れている病院を特定を試みた。それに予想外の時間と手間がかかった。本研究に必要なそのようなリストが存在しなかったため、各県の医療機関名簿から診療科に小児科を掲げている病院をまず抽出したが、小児科常勤医師の不在などが理由で実態と名簿に相当なズレがあることがわかった。そこで、小児科病棟がある病院と小児科の入院が可能な数千の病院等を精査しなければならず、特定完了までに4か月を費やすことになった。 ②ある小児科病棟スタッフへのアンケート調査結果のとりまとめは完了しているものの、学術論文の形での公開が未達である。可及的速やかに完了したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は、以下の取り組みをとりわけ強く推進していく予定である。 ①国内外の当該分野の研究者・病院設計者との連携をさらに強めていきたい。2016年6月のロンドンの国際学会参加の他、国内の病院見学会・研究会に積極的に参加し、小児科病棟における付添家族のための空間の重要性について意見交換をしていく。 ②研究成果を公開する。 ③国内の優れた事例を研究協力者と見学・調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額808円は、アルバイトの1時間の時給に満たず、物品も当該年度内に808円以下で購入が必要なものがなかったため、次年度に繰り越して有効活用しようと考え、残したものである。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケート郵送に関する費用に充当したいと考えている。
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