合金の原子スケールから内部組織スケールに至るマルチスケール解析・マルチスケール計算を実行した。対象はFe系2元合金の規則-不規則相変態現象と機械的性質である。前者では原子レベルの配列が内部組織レベルの逆位相境界の形成過程に及ぼす影響を、後者では電子挙動によって発現する磁性がマクロに観測される延性-脆性挙動に及ぼす影響を扱った。又、サブ格子スケール(格子定数よりも小さなスケール)の自由エネルギーの定式化を行い、連続変位クラスター変分法や可変基底のクラスター展開法等の数値計算手法の開発を行った。マルチスケール計算において伝達されるべき情報がスケール間で可変であるための条件についても考察を加えた。
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