• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

電磁波材料プロセッシングにおける非熱的効果の解明-電磁波化学という新領域の創出

研究課題

研究課題/領域番号 15K14115
研究機関東北大学

研究代表者

福島 潤  東北大学, 工学研究科, 助教 (80634063)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードマイクロ波プロセッシング / マイクロ波効果 / 発光分光 / 選択加熱 / 還元反応 / 還元型酸化チタン
研究実績の概要

マイクロ波プロセスは、材料合成時間の短縮が可能となり、省エネルギー化が期待されるため、材料化学プロセス研究が活発になされている。これら研究の流れの中で、マイクロ波印加下における化学反応の駆動力が、マイクロ波エネルギー緩和による熱エネルギーのみならず、そのエネルギーそのものより供給されるという仮説に至った。この特殊なエネルギー遷移過程では、熱緩和を経ずにエネルギーを化学反応に用いることが可能となるため、化学反応のエネルギー効率を高めることにつながる。本研究は、本反応系のエネルギーパスを解明し、材料化学プロセスにおける新しい学理を構築することにある。
この目標達成のため、マイクロ波照射時における熱的な効果と非熱的な効果を、分光測定により完全に峻別することに挑戦した。平成28年度は、前年度に測定系の構築を完了したマイクロ波印加下その場分光システムを用いて、酸化チタンの還元反応におけるその場分光測定を行なった。その結果、マイクロ波電場強度最大部分・磁場強度最大部分における実験おいて、熱輻射に由来する連続スペクトルとは明らかに異なる輝線スペクトルが確認された。その強度は予備実験とは異なり非常に強いもので、再現性も認められた。また、電場・磁場下でのそれらの発光は特徴が異なるものだった。このスペクトルは4.9µm四方の非常に局所的な部分からしか発光されず、0.5秒の露光時間のみ観察されるものであった。磁場中照射ではTi(Ⅰ)の発光と考えられるピークが観察され、マイクロ波照射により、数eVオーダーのエネルギー励起を生じさせることが出来ると考えられる結果を得た。一方で、電場照射時の発光は磁場中の場合と比較して高エネルギー側で生じており、窒素分子からの発光であると推察されるピークであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] In-situ Emission Spectrophotometric Analysis of Oxides Irradiated with Microwave2016

    • 著者名/発表者名
      Jun Fukushima, Hirotsugu Takizawa
    • 学会等名
      Materials Science & Technology 2016
    • 発表場所
      Salt Lake City, USA
    • 年月日
      2016-10-23 – 2016-10-27
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 還元型酸化チタンへのマイクロ波照射とその場分光分析2016

    • 著者名/発表者名
      福島潤、佐藤元泰、滝澤博胤
    • 学会等名
      第10回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム
    • 発表場所
      東北大学(宮城県・仙台市)
    • 年月日
      2016-10-13 – 2016-10-14
  • [学会発表] 遷移金属酸化物の還元におけるマイクロ波照射中その場スペクトロスコピー2016

    • 著者名/発表者名
      福島潤、滝澤博胤
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会第172回秋季講演大会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府・豊中市)
    • 年月日
      2016-09-23 – 2016-09-23
  • [学会発表] In‐situ emission spectrophotometric analysis of TiO2-x during microwave irradiation2016

    • 著者名/発表者名
      Jun Fukushima
    • 学会等名
      3GCMEA 2016
    • 発表場所
      Cartagena, Spain
    • 年月日
      2016-07-25 – 2016-07-29
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi