多成分系に拡張した反応拡散法を設計開発して、化学組成が最適化された高性能な結晶配向セラミックスを簡便に作製する方法論の構築を行なった。具体的には、異種酸化物を添加したサンドイッチ型拡散対の積層順序と各層の厚みを適切に設定し、配向多結晶体の化学組成と結晶構造を最適化することで、極めて高い酸化物イオン伝導度を実現した。開発した低温作動型の固体電解質は、配向したケイ酸ランタンオキシアパタイト結晶中にBaOとSi欠損を導入したものである。イオン伝導度は世界最高レベルに達しており、500℃で0.034 Scm-1であった。この値は現在実用化されているイットリア安定化ジルコニア電解質の約60倍に相当する。
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