本研究では,各種のアルカリイオン伝導性酸化物結晶のAP置換処理により,中温域での優れたプロトン伝導体の作製を試みた。1×10-4Scm-1程度以上の高いプロトン伝導度を有する材料の開発には至らなかったが,AP置換法で酸化物結晶においてNa+イオンをプロトンへと完全置換できる結晶を見出した。その一つであるNa3Zr2Si3PO12 (NASICON)では,50%程度までのプロトン置換ではオリジナルの結晶構造を維持するが,それ以上の置換でアモルファス化が生じるという現象を見出した。Na+イオンのプロトン置換によるアモルファス化を結晶の体積収縮率と内部圧力との関係から解釈した
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