スズ亜鉛リン酸塩ガラスに酸化銅を添加したときに生じる新たなフォトルミネッセンスの要因について調べた。酸化銅(II)の添加量を固定し、ホストガラスの酸化スズ(II)の含有量のみを変化させた。ガラス中では銅イオンは1価に近い状態で変化しないが、発光中心形成が促進され、発光強度が増大した。発光量子収率は最大約20%であり、酸化スズ(II)高濃度域では濃度消光を引き起こした。また、スズイオンの2価/4価比は大きく減少した。そこでガラス構造を調べたところ、酸化スズ(II)含有量の増加に伴い、リン酸鎖の切断、非架橋酸素の増大が観測され、網目修飾酸化物による発光特性制御の可能性が示唆された。
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