研究実績の概要 |
平成29年度の目的は,解析によって得られた新『引張せん断強さ』試験法の実試験による精度検証を行うことである.具体的な実施計画は,(1)解析結果に基づく新試験法の妥当性を実際の『引張せん断強さ』試験によって検証する.(2)研究成果の整理,取りまとめ及び成果発表を行う.併行して,論文投稿の準備をすすめる等である.以下に本年度実施した内容について示す. (1)これ迄の研究で明らかにしてきた,「SLJとDLJのKσ値を等しくするためには,SLJの被着材厚さを1.5mm(JIS)から7mmに厚くし,接着層端部の接着面外曲りをDLJ法並にする」に基づいて本年度は, 簡便で実用的なSLJ試験に注目した.そこで,接着強度試験において,被着材厚さを6.9mmにしたSLJ試験片を製作し, せん断引張試験を行った.試験片厚さを1.5mmから6.9mmに厚くすることで,これ迄の解析により元のKσ(JIS)の45%になることが分かっている.SLJ引張強度試験の結果,被着材厚さを1.5mmから6.9mmにすることで,接着強度が元の値の200%~230%になることを実証した. Kσの低下と対応した結果が得られた.ひきつづき, ISSFを最小にできる被着材厚さ25mmのSLJ試験片を作成し,強度実験を行う準備を進めている. (2)研究成果は,以下の発表,論文投稿を行った. 【投稿論文】1)単純重ね合わせ継手に固有の2つの特異応力場の強さを求める実用的解析法について,エレクトロニクス実装学会誌,2018年3月,宮﨑達二郎,野田尚昭,佐野義一,2)単純重ね合わせ継手を用いて二重重ね合わせ継手と同一強度を得る方法について,設計工学,2017年10月,野田尚昭,李戎,佐野義一,髙瀨康,髙木怜,宮﨑達二郎
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