シリコンは半導体電極材料として広く研究が進められてきた.しかし,水溶液中では容易に表面酸化することで,特性の劣化が課題となっていた.本研究ではグラフェン誘導体の透明性とガスバリア特性を活用した半導体光電極系の実現を目的とし,グラフェン誘導体固定化シリコン表面について調査を行った.酸化グラフェン分散液を水素終端化シリコン表面にスピンコートするだけで,化学結合を介した固定化が実現できている可能性を見出した.電流計測原子間力顕微鏡観察や電気化学測定から,固定化したシートが耐表面酸化被覆として有用であり,シリコンの光電気化学特性を阻害しないことを示した.
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