GA鋼板のFe-Zn系金属間化合物をモデル材料として,界面誘起擬塑性変形能のメカニズムおよび発現条件の解明を試みた.圧縮軸に平行な界面を持つ2相マイクロピラーでは,変形能を示すΓ相とΓ1脆性相の組み合わせでは脆性的な破断が起こるが,変形能を示すζ相とδ1p脆性相の組み合わせでは,ζ相にはすべり線が,δ1p相には無数のマイクロクラックが形成されつつ,全体として10%を超える塑性変形が可能であるすなわち,δ1p相は単相では脆性的に破断するものの,ζ相と共存すればマイクロクラックを形成しながら擬似的な塑性を示す.このIMPPの発現はδ1p相の層厚に支配され,その臨界値として5μmを実験的に解明した.
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