水素化物中のHδ-とCO2中のCδ+の静電相互作用に着目して、水素化物M(BH4)nとCO2の化学反応を詳細に調査した。LiBH4とα-Mg(BH4)2では、1 MPaのCO2中において、120℃まで加熱しないと反応が進行しないのに対して、ナノポーラス構造を有するγ-Mg(BH4)2では、室温でも1気圧のCO2と反応することを明らかにした。また、KBH4とCO2との化学反応において、主な固相生成物はK[HxB(OCHO)4-x](x =1-3)であることが同定され、水素以外に、COとメタノールの生成が確認された。すなわち、触媒を用いなくても、KBH4によるCO2の還元が可能であると示唆される。
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