鉄合金におけるベイナイトの不完全変態を利用したナノラメラ二相組織の創製を目的とし、浸窒処理による高窒素鋼の創製および窒化物生成の抑制によるオーステナイトの高窒素化と安定化に適した置換型合金の機能解明を行い、窒素を利用した高強度-高延性-高靭性な鉄合金の探索を行った。 純鉄および1mass%のSi、Cr、MnおよびMoを添加した試料に対し浸窒処理条件の探索を行い、ガス分圧および温度を制御することで全体が均一な窒素濃度となる試料の作製に成功した。その後の恒温変態処理では、CrおよびMoを添加することにより鉄窒化物の生成が抑制され、多量のオーステナイトを残留させることが可能であることが明らかとなった。
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