空間に露出したナノ粒子が自発的に組織形成するセラミックス複合材の生成原理を解明しこれを触媒用担体とする技術を検討することを目的とした。環境浄化材料への応用において実用性の高い組成系で固相反応と焼結現象の組み合わせ1000℃以上でも安定なナノ粒子を含む多孔質を形成すべく各種の実験により検討した。微細構造の形成過程を明らかにするため、組織形成現象を詳細に追跡し、高温処理後のX線回折による相変化や複合組織の電子顕微鏡観察を行った。新たに制御できたナノ複合組織では10~20ナノメータの複合酸化物が析出した状態で存在した。これらナノ粒子はガス相と接触できかつ1000~1200℃程度の高温化で安定な組織を有していた。さらに、その触媒活性について試験したところ、ナノ粒子含有複合材でトルエン燃焼活性に優れている材料の作製条件がわかった。それら多孔質材の耐熱基体上へのコート法についても試験的に検討し、その組織変化を調べ、環境浄化へ応用できる触媒担体等としての可能性を見出した。
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