支持電解質としてP-トルエンスルホン酸,シュウ酸を用い,電解酸化重合法によりFe上へポリアニリン膜を作製した。重合膜は,pH2~4の溶液では部分的に形成されるのに対して,pH7~10の溶液では全面的に形成され,表面が平滑となった。8~30 A・m-2の電流密度では,表面が平滑で耐食性が良好な重合膜が得られたが50 A・m-2以上での重合膜は表面が不均一となった。陽極電位が0.4, 0.8 Vでは重合膜の形成が不十分であり,2.0 Vでは表面の凹凸が大きくなった。支持電解質としてP-トルエンスルホン酸とシュウ酸の両方を添加すると,重合膜被覆Fe板の耐食性は大きく改善され,密着性も良好であった。
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