研究課題/領域番号 |
15K14228
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
梅野 太輔 千葉大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00400812)
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研究分担者 |
河合 繁子 千葉大学, 大学院工学研究科, 助教 (40638920)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | プレニル化酵素 / イソプレノイド / カロテノイド / 進化分子工学 / 局在化 / 大腸菌 / セレクション |
研究実績の概要 |
私たちは,既知・未知問わず,さまざまなテルペン酵素の生合成機能をコロニー色でスクリーニングする手法を開発してきた。本研究では,これらの手法を転用して,いままで不可視であったタンパク質・ペプチドのプレニル化活性を,はハイスループットに色スクリーニングする手法を確立することを目的としている。そして,この方法を用いて,(i) タンパク質のプレニル化活性の強化,(ii) 標的特異性の改変,多様化,そして特異化,などに挑むことも,本研究の究極の目標である。
2年目となるH28年,まず我々は,由来するファリネシル二リン酸転移酵素の基質配列(C-I-I-S配列)を,緑色蛍光淡白質(Green Fluorescent Protein, GFP)あるいはその亜種,転写因子など(TetRなど),ハイスループットに機能の読み出しが可能な各種レポータタンパク質のカルボキシ末端に融合した。これを,大腸菌の中で,タンパク質ファルネシル二リン酸転移酵素(RAM1, RAM2)と共発現した。CIISタグつきタンパク質はそのサイトソール内での実行濃度を下げ,膜画分に局在すると予想していたが,意外にも,その細胞内局在には大きな変化が起きていないことを示唆する結果が得られた。興味深い結果ではあるが,局在制御を目指す本研究の遂行においては障害である。実験実施時期を一年延長し,来年度一年をかけ,(1) より安定性の低い標的タンパク質へのプレニル化,(2) ゲラニルゲラニル二リン酸やゲラニルファルネシル二リン酸など,より疎水性の高いプレニル基の付加に切り替える,(3) RAM1/2の活性進化,などを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
[項目1] プレニル基転移活性のスクリーニング系は完成している。 [項目2] 野生型にある程度の活性があるとふんでいたが,どうも大腸菌活性は極めて弱いようである。本年度は,それを検出しようと様々な試みをくり返す一年であった。本年度,活性そのものの改良の必要性が浮き彫りになった。ポジコン不在であるが,来年度からは,まずはプレニル化酵素の進化工学に取り組むこととする。 [項目3] プレニル化後のタンパク質の局在化まで辿りついていない。まずは項木
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今後の研究の推進方策 |
順調であったH27年度とは対照的に,H28年度は,予期せぬ結果が多く,結果として,一年間の研究延長を願い出る結果となった。しかしWestern Blottingやタンパク質のMS解析など,今後の研究に必要な種々の技術基盤を固めることができた。H29年度は,まずは,弱すぎるプレニル化酵素の大腸菌活性を高めることが急務である。具体的には,項目1で完成させた進化工学プラットフォーム取り組むこととする。これが首尾よく終わったら,後半は,特異性発散・進化の実験や,プレニル転移酵素の積極的な特異性変換などに挑む。
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