研究課題
本研究の最終目的である次世代型スクリーニング系の実現には、環境微生物を1細胞を分離した後に培養すると共に、選択方法(スクリーニング法)を確立する必要がある。そこで「真核微生物のスクリーニング系の確立」および「真正細菌の培養・スクリーニング系の確立」を試みた。まず、比較的容易な「真核微生物のスクリーニング系」の確立するために、油脂生産酵母のスクリーニング方法の検討・確立を試みた。その結果、油脂染色試薬とセルソーター(特定の細胞の分布を光学的に調査・分収可能な装置)を用いて油脂生産酵母の高油脂蓄積突然変異株のスクリーニングに成功した。続いて「真正細菌の培養・スクリーニング系の確立」のために、近年注目を浴びている、water-in-oilエマルションを用いた微生物培養法を検討した。本培養法には、オイルで区切られた数万単位の微小区画「ドロップレット」を扱えて高処理かつ低コストであること等の利点がある。しかし、微生物が単離されたドロップレットの形成から培養、解析までのメソッドが確立されておらず、普及していない。そこで、本研究課題の目的である「環境微生物の単離培養」に活用するため、本法の確立を試みた。まず、直径30~360 μmの間でのドロップレットサイズ制御と一ヶ月以上安定的なドロップレット形成に成功した。続いて、モデル微生物を含むドロップレット形成、封入微生物数の制御および培養に成功した。側方散乱光やペプチド系蛍光基質を用いたスクリーニング系も確立できた。モデル微生物のドロップレット形成、培養法およびスクリーニング法を確立できたため、環境微生物解析を試みた。まず、土壌等から採取したサンプルから微生物を抽出し、ドロップレット封入と培養に成功した。さらに、ドロップレットに含まれる菌叢からDNAを抽出し、次世代シークエンサーによって解析することで、菌叢解析に成功した。
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Scientific Reports
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