生細胞からなる集塊構造体は、薬剤スクリーニング系(細胞アッセイ)や再生医療分野において、動物実験やドナー不足等の課題を克服可能な人工の生体材料として期待されている。本研究では、独自に開発した酸化還元応答型ハイドロゲル調製法を駆使して、細胞を主要構成要素とする自立的なバイオ素材の作製を試みた。具体的には、(1) ハイドロゲル内部での肝がん由来細胞の包括培養による球状構造体(スフェロイド)、(2) ハイドロゲル上面での繊維芽細胞の培養によるシート状構造体を作製した。さらに、対象細胞を人工多能性幹細胞(iPS細胞)や昆虫細胞へと拡張し、これらの細胞からなる凝集構造体の構築に関する基礎知見を得た。
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