著者らは、軸方向に多数の微小ポートを有する固体燃料のポート出口端面で微小拡散火炎群を保持する「端面燃焼式ハイブリッドロケット」を提案してきたが、燃料の製作が困難なため実証実験を見送って来た。近年の3Dプリンタの発展により複雑な燃料形状が製作可能となり、世界で初めて端面燃焼式ハイブリッドロケットの実証実験を実施した。燃焼実験の結果、初期の非定常期間を経て、燃焼中に燃料-酸化剤比が一定に保たれる定常燃焼への移行が確認された。ポート内径が0.2~0.5 mmの単ポート燃料試料を用いた燃焼実験も実施した。燃え広がり燃焼と安定燃焼の2つのモードが観察され、両モードを分ける臨界摩擦速度が確認された。
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