研究課題/領域番号 |
15K14246
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 智博 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (70466788)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 宇宙構造物 / 排熱 / 磁性流体 / 微粒化 / 噴霧 |
研究実績の概要 |
宇宙構造物において安定した熱管理を実現するためには,高性能な排熱システムが不可欠である。将来的に更なる排熱量増加が見込まれる中で,従来のラジエーターを大型化するのみでは,放熱面積増大に伴う重量超過や軌道上での展開の難しさなど,解決困難な課題に直面することは避けられない。本研究では,磁性流体の微粒化技術を応用することで,有効放熱面積を格段に増加させるとともに,磁性流体回収用の磁場を利用した高効率な回収システムを併用した,新しい高性能小型排熱システムを提案し,その原理的な成立性を確認するとともに,実用化に向けた課題を明確にすることを目的として研究を実施している。平成27年度は、磁性流体噴霧の基礎特性を計測するとともに,周囲磁場の影響を明らかにする基礎的な研究を実施した。はじめに,磁性噴霧回収用の磁場を発生させない状態で,磁性流体の基礎的な微粒化特性を計測し,その後,磁場と磁性噴霧の干渉の影響を調査した。東京大学工学部7号館(東京都文京区本郷)に設置した微粒化実験装置において、高速度カメラ(Photron 社製FASTCAM-APX RS・白黒)と粒径計測装置(DANTEC DYNAMICS Shadow Image)を使用することで、磁場の違いによる磁性噴霧噴霧特性の変化を観察および計測した。磁性流体噴霧の流れと同方向に磁場を印加すると、噴霧速度が増加する等の変化を確認した。また、収集後の磁性流体の挙動には顕著な違いが認められ、磁場印加方法を検討する重要性を認識することで、次年度の課題を明確にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り、これまで知見の少ない磁性流体噴霧挙動を実験的に観察することに成功するなど、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画からの変更は無い。今後は、磁性流体噴霧の回収方法を含めて、検討を行う。
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