数値流体力学を用いて振動物体まわりの周期的非定常流れを効率的に解くために,従来の時間発展法に替えて,時間フーリエスペクトル法を開発した.はじめに,遷音速流れの振動翼の解析を行い,実験結果,及び,時間発展法と比較することで,新たに開発した手法の精度と効率を検証した.粘性流れ解析では,スペクトル法は時間発展法の約1/20の計算時間で周期解を得ることができた.次に,航空機全機形状に適用し,得られた空力係数の時間履歴より動安定微係数を算出した.風洞の強制振動実験結果と比較し,遷音速における動安定余裕の変化の傾向を再現することができた.
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