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2016 年度 実施状況報告書

運航ナレッジマネジメントに基づく災害時の革新的船舶避難方法

研究課題

研究課題/領域番号 15K14263
研究機関神戸大学

研究代表者

小林 英一  神戸大学, 海事科学研究科, 名誉教授 (90346289)

研究分担者 世良 亘  神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (20294259)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード津波船舶避難 / 避難シナリオ / 錨泊 / 係留避泊 / ナレッジマネジメント
研究実績の概要

1 ヒアリングの分析とアンケート項目の策定:実務運航者に対して実施したヒアリングをもとに、より広く実務経験者に対して実施するアンケート内容およびアンケート対象の絞り込みを行った。
2 避難シナリオの検討:津波の来襲など港湾にかかる災害事例での避難方法については、一般的には、(1) 船舶は桟橋で係留された状態のまま保持する。(2)桟橋から出港し安全な海域に向かう。航行中の船舶においては同様に安全な水域に向けて航海を続行する。(3)桟橋から出港し港湾近くの好適な海域において舵やエンジンなどを適宜操作し航走しながら待機、あるいは津波をやり過ごす。(4) 桟橋から出港し 港湾近くの好適地で錨泊する、などが挙げられる。過去の事例なども参考にそれぞれの得失について調査し、それぞれの船舶の状況に見合った具体的な避難シナリオの検討を行った。
3 避難シナリオ評価方法の検討:アンケート結果を解析して構築された避難にかかるデータベースから、船舶の刻々の避難行動の危険度を導出する”計算式”について検討した。航走中の危険度を示す指標はいくつか提案されているが、これらについて調査を行い、津波などの災害時の船舶の避難航走に対してどの程度適用できるかについて検討を行った。 その結果、従来の危険度評価手法に対して、さらに津波からの避難行動の結果もたらされる安全度(あるいは危険度)などの指標を加味することで評価できるとの見通しが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画に変更すべき点はないが、アンケート調査に先立つ実務運航者への聞き取りの分析が多岐にわたるため、その信頼性を上げるために、類似文献や類似調査結果の精査、追加の聞き取りなどに時間を要した。加えて、今年度から着手した避難方法の評価基準の開発について、既往の一般的な船舶航行にかかる安全性評価指標の拡張方法の検討に時間を要したため、研究の進捗が遅れた。

今後の研究の推進方策

(1) アンケート内容の検討と実施;津波などの沿岸や港湾にかかる自然災害が発生した場合の操船者がとる対応方法を、知識ベース集約から援用するための手法開発に必要案アンケートなど事務担当者への調査方法・記載方法などの確認を行う。港湾や船種によって対応方法も多様化することが分かってきており、アンケートはきめ細かな対応と分析だ必要であるので、これらに留意した方法をとる予定である。
(2)避難シナリオの検討と評価:避難シナリオはそれぞれの船舶、港湾で異なるが、普遍的なベースシナリオと個別のシナリオを組み合わせた形態を想定している。このシナリオはいわゆる運航者の実務経験をデータベース化したものから導出されるが、これらしなりおの評価は、航海にかかる安全性指標を持ちいて評価する。
(3)前項の評価手法に対して、外部入力すなわち津波の形態を複数変更させて避難操船を施行することにより、その避難手法の適用性が評価できる。これを整理することにより津波など突発的な避難操船時の柔軟性について評価する。
(4) 総合評価:本研究を通じての成果や課題について評価する。

次年度使用額が生じた理由

本研究では信頼性のある知識を効果的に集約するためのアンケート調査を行うが、それに先立ち実施した実務経験者への聞き取り調査について、候補者の選定や分析に時間を要したため、本研究の事業期間を延長した。このため、次年度に繰り越して実施する項目(アンケート調査、避難シナリオの策定と評価)の遂行のため次年度使用額が生じる。

次年度使用額の使用計画

アンケート調査と避難シナリオの策定と評価を次年度に実施し、これらにかかる調査、プログラム作成、学会発表を次年度に行うこととし未使用額をその経費に充てることとする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] 伊勢湾における津波来襲時の船舶避難に関する検討2016

    • 著者名/発表者名
      村山 雅子,小林 英一,谷口 裕樹,越村 俊一,世良 亘,米田翔太
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集

      巻: 22 ページ: 355,356

  • [雑誌論文] 離岸時の岸壁影響に関する実験的研究2016

    • 著者名/発表者名
      米田 翔太,橋本 博公,谷口 裕樹,小林 英一
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集

      巻: 23 ページ: 69-74

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 新想定津波下での大阪湾における船舶避難について2016

    • 著者名/発表者名
      村 山 雅子,小 林 英 一,谷 口 裕 樹, 越 村 俊 一
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集

      巻: 23 ページ: 75-76

    • 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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