本研究は,褐炭などの低品位炭の産業利用の上で課題となっている自然発火性や燃焼・ガス化反応特性をガスレーザーによる急速加熱によって明らかにすることを目的として実施した。高圧雰囲気中で石炭試料をレーザーにより急速加熱するための小型測定装置を開発し,低品位炭の急速加熱に対する発熱特性やガス化特性を実験的に調べた。とくに,一連の条件を変化させた実験結果から,0.6~1.6MPaの圧力条件で石炭1g当りH2が約250ml,CH4が約65mlおよびCOが約3200mlそれぞれ生成されることを明らかにした。さらに,CMG-STARSによる数値シミュレーションを実施し,実験結果を概ね再現できることを示した。
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