銅製錬スラグの新たな用途開発の1つとして,スラグを徐冷し、マグネタイトを析出、結晶化させ、物理選別により分離濃縮するプロセスの構築を目指した。多くの有用金属のキャリアとしても期待されるマグネタイトに着目し,徐冷や温度保持などのプロセス条件が析出するマグネタイトの生成量およびグレインサイズに及ぼす影響を、自作した模擬スラグおよび実スラグの双方を用いて系統的に把握した。冷却速度を3 K/minまで緩やかにすることによって、物理選別の適用が可能なグレインサイズが得られることが確認され、粉砕および高勾配湿式磁選によって、銅が混入せず一般的な鉄鉱石と同等な鉄品位の磁着産物を得られることを確認した。
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