研究課題
磁気リコネクション加熱を最大する手法を見出し,同加熱のみでイオン温度2keVを達成した。キーとなるイオン加熱のスケーリング則は,イオン温度が合体するトカマクの再結合磁場(ほぼポロイダル磁場Bp)の2乗に比例することがkeVを超えて実証できた。第1に上記スケーリング則は,東京大学TS-3U, TS-6, カラム研究所MAST,トカマクエナジーST-40のトカマク合体実験で共通と判明し,スケーリング則通りのイオン加熱を得るには, (1) 電流シート幅をイオンラーマ半径程度まで圧縮して電流シートの異常抵抗をオンしてリコネクションを高速化し (2)リコネクション中の損失<<リコネクション加熱となる閉じ込めが必要とわかった。(1) はイオンのメアンダリング運動,LH不安定とドリフトキンクと考えられる不安定の誘起により電流シートの異常抵抗がオンされるため,ガイド磁場Bt依存性がほぼ無くなり,再結合磁場だけでアウトフロー速度,即ち加熱パワーが決まる。粒子(PIC)シミュレーションでも同スケーリング則をはじめて実証した。第2にBtがゼロのリコネクション加熱は,再結合磁場程度の場合の2倍程度であるが,Bt>Bpのトカマク領域ではBtに依存しない点が実験とPICの双方で判明した。第3にリコネクションのイオン加熱エネルギーは,合体するトカマクポロイダル磁気エネルギーの40-50%とわかった。第4に合体実験ではイオン加熱は電子加熱の5倍程度であるが,スラブモデルによるPICでは2倍程度で,境界条件に依存する。以上の成果は,2018年アジア太平洋物理学会年会をはじめとする招待講演11件,IAEA Fusion Energy 2018の日本代表論文に4件選定され,ベンチャー企業Tokamak Energy社のST-40実験の主加熱に採用されてkeVを記録するなど,内外より高く評価されている。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 5件、 査読あり 10件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 15件、 招待講演 11件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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