放射性同位元素トリチウムを含む水の除染処理のため、活性気液吸着交換材を充填した蒸留塔による同位体分離操作を実験的かつ解析的に検討した。従来トリチウム水分離方法として、水蒸留法は触媒を使わず大量トリチウム分離に適しているが、同位体分離係数が小さく大規模分離に適用するには大量のエネルギーが必要であるとの認識が高かった。本研究では、メソ孔水分吸着時の同位体効果の高いゼオライトを蒸留塔金属充填材表面に被覆した全く新たな同位体分離方法を提案し、ヒートポンプ方式で放射性トリチウム分離を実施し、多数の査読つき英語論文とともに国際特許に出願し、核融合炉および福島1Fのトリチウム水濃縮分離に繋がる成果を得た。
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