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2015 年度 実施状況報告書

ダイヤモンドNVセンターを利用したアトミックスケール中性子線量計測の試み

研究課題

研究課題/領域番号 15K14286
研究機関北海道大学

研究代表者

金子 純一  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90333624)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードダイヤモンド / NVセンタ / 発光 / 中性子線量計測
研究実績の概要

平成27年度は当初予定通り、北海道大学でマイクロ波プラズマCVD法により合成した単結晶CVDダイヤモンド中の窒素不純物の混入の程度を確認するため、ダイレクトウエハ法により自立膜化したダイヤモンド試料をJAEAに送付し、共焦点レーザー走査顕微鏡で評価を行った。現在、北海道大学で合成しているダイヤモンド試料は合成チャンバーの真空度改善、高純度原材料の使用などを行っているため、SIMSの測定下限以下の窒素量しか含まない事を確認している。また、合成チャンバー改造前はわずかな大気リークによる窒素汚染があり、SIMS測定では検知不可能な窒素不純物によってステップバンチングが発生していたが、現在はそれも無くなっている。
共焦点レーザーによる測定の結果、成長層表面付近ではNVセンターによる発光は見られなかったが、表面から50μm程度の基板側に当たる深い位置ではNVもしくは他の強い発光が観察された。今後、精査する必要はあるが、ダイレクトウエハ法では基板結晶に対して事前にイオン注入を行っているので、その影響が観測された可能性がある。現在、イオン注入基板の影響を評価するための実験を進めており、影響低減を図って合成した結晶に同様の測定を行う事を計画している。
また次の段階として、窒素が0.数ppm程度混入した単結晶CVDダイヤモンドを合成し、JAEAに支給した。この結晶でどの程度のNV発光が観測されるかにより、現状の測定下限の推定が可能になるものと期待している。次年度は窒素含有試料に対する14MeV中性子照射を行い、NVセンターの増減を観測する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

結晶合成と評価は概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

現在、測定下限を評価するための試料をJAEAに送付しており、今後、電子線照射による欠陥形成などの実験も行う。次年度は中性子照射を行い、NVセンターの観察を行い中性子線量計としての可能性評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

3月に購入した物品が上記金額に当たり、次年度4月に処理されるため。

次年度使用額の使用計画

既に使用済。

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公開日: 2017-01-06  

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