研究実績の概要 |
本研究は新たな良好なエネルギー分解能結晶であるヨウ化ストロンチウムの新たな育成方法での結晶作成技術およびパッケージングおよびアレイ化技術の確立を目的としている。ヨウ化ストロンチウムは、バックグラウンドが少なく、発光量の多いシンチレーターである。また作成したコンプトンカメラをドローンに搭載できるように軽量化し、福島等の分布線源において撮像を行うことを目的とする。ここでは新たなピンホールカメラとコンプトンカメラを融合させたピンホールコンプトンカメラの製作を行い線源を用いて動作を検証し、低エネルギーから高エネルギーまでのガンマ線を捉えることを確認した。137Csからの特性X線および662keVの高エネルギーガンマ線を両方捉えることで感度の上昇が考えられる。ヨウ化ストロンチウムに関しては四角型の結晶を作成し、PMT,APD(Avalanche Photo Diode,SIPMにおいて性能の評価を行った。PMT,APDでは3%@662keV台の良好な性能、SiPM(Silicon Photomultiplier)では4%@662keV台の良好な性能が得られることを確認した。またヨウ化ストロンチウム結晶の温度特性や波形整形時間などを変えたデータを取得した。ヨウ化ストロンチウムはブリッジマン、溌液化法により作成した物を用いている。またドローンに搭載可能な軽量のピンホールコンプトンカメラ(2kg以下)を製作することに成功した。
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