研究課題/領域番号 |
15K14291
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂東 昌子 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (20025365)
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研究分担者 |
真鍋 勇一郎 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50533668)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 放射線 / 線量・線量率 / DDREF / 進化 / 分割照射 |
研究実績の概要 |
1. 多様な生物種(動物からウイルスまで)の WAM 模型の適用:色々なデータを調べたが、適用できるデータとして、細胞死の線量率実験、分割照射実験、マウスの寿命短縮実験があった。WAM模型の核となる反応係数への線量率依存性を課したモデルを作成し、細胞死のデータのおおまかに再現できる目処がたった。マウスの寿命短縮に関して、がんの発生時期に関して線量率依存性を課して概ねデータを再現できる目処が立った。2. ヒトの線量・線量率効果係数(DDREF)の推定:ヒトに関しては相対的にはマウスと同じとして、突然変異発生頻度の線量率別の時間推移をWAMモデルから計算を行った。3. 放射線治療のスケジューリングへの応用(分割照射など)を継続しつつ、新たな取り組みを行う。:マウスのがん発生が線量率が高い放射線を照射した方が低いという実験データがあったが、これを放射線治療とみなして、WAM模型の考えをもとにしたモデルを構築し、概ね再現できることを示した。4. 放射線の生体影響に関する国際的小規模ミーティングの開催:2018年2月8日に京都大学東京オフィスにて、更に、2月10日に京都大学RIセンターにて、原子放射線の影響に関する国連科学委員会元議長Wolfgang Weiss氏を招聘し、ミーティングを開催した。5. 分子運動学の立場から、ミクロとマクロをつなぐ理論の構築:議論の結果、まずはマクロな現象論を構築すべきだという結論になった。6. 得られたパラメータの分類と生物学的検討:マウスのパラメータは中立進化速度、DNA2本鎖切断の発生頻度、対照群のデータと結びつける見込みが立った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画事項をほぼ満たしているので。
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今後の研究の推進方策 |
今後は海外の共同研究も進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.招聘が多く国内旅費が少なくて済んだ。2.消耗品の購入が想定より少なかった。3.2018年3月に国際ワークショップを開催するので出来るだけ節約した。
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次年度使用額の使用計画 |
大部分を国際ワークショップの際の招聘費用にあてる。
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