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2015 年度 実施状況報告書

多様な放射線場における線量評価が可能な銀活性リン酸塩ガラスの高機能化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 15K14294
研究機関国立研究開発法人放射線医学総合研究所

研究代表者

小平 聡  国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 研究基盤センター, 主任研究員 (00434324)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード線量評価 / 線量計 / 銀活性リン酸塩ガラス / ガンマ線 / 重粒子線
研究実績の概要

銀活性リン酸塩ガラスは、ラジオフォトルミネッセンス(RPL)と呼ばれる蛍光発光量から、蓄積された線量値を読み出す原理に基づく、個人線量計の一つとして知られている。本研究では、銀活性リン酸塩ガラスという単一素子において、RPL発光だけでなく、エッチング処理による核飛跡計測と光学特性変化という3種類の物理量を独立に計測し、それらを組み合わせた新しい線量評価法を提案している。本年度では、高LET(線エネルギー付与)粒子ビーム(Xe 290 MeV/n)を照射したガラス素子について、従来のRPL発光から得られた線量値と、核飛跡計測によるLETスペクトルから評価した線量値を、一定のLETレンジにおいて定量的に比較した。較正された電離箱による照射線量の標準値に対して、前者は発光効率の低下に伴い70%程度過小評価するのに対して、後者は100%の効率で線量評価できることを確認した。また、LETに対して、RPLと核飛跡の定量値の間には比例関係があることが分かった。これによりRPLで過小評価する線量値については、核飛跡の情報を用いて補正することができると考えられる。一方、本研究費で取得した紫外可視光分光光度計を用いて、ガンマ線照射によるガラス素子の光学的特性変化について初期結果を得た。137-Csからのガンマ線照射により、10Gyから2 kGyにわたる線量レンジにおいて、ガラスの着色に伴って、吸収波長スペクトルが系統的に変化することを確認した。特に、315 nm付近に観測される吸収ピーク値が照射線量に依存することが分かった。今後、照射線量に対する吸収ピークの定量化を行い、線量評価のプロトコルを確立する

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通り新規に取得した紫外可視光分光光度計を用いて、光学的特性の初期結果を得ることができた。また、核飛跡とRPLの関係についても定量関係を見出すことができた。

今後の研究の推進方策

光学的特性については、照射線量に対する定量化を行う。これによって、RPL発光・核飛跡・光学的変化のそれぞれから得られる応答関数を取りまとめ、相補的な線量評価法として確立する。

次年度使用額が生じた理由

一般競争入札に伴う分光光度計装置購入を行ったが、その端数分が発生した。

次年度使用額の使用計画

次年度の物品購入に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Complementary approach for radiation dosimetry with Ag+-activated phosphate glasses2016

    • 著者名/発表者名
      S. Kodaira, Y. Yanagida, Y. Koguchi, H. Kawashima, H. Kitamura, M. Kurano, K. Ogura
    • 学会等名
      The 17th Solid State Dosimery
    • 発表場所
      ドイツ・ミュンヘン
    • 年月日
      2016-07-03 – 2016-07-08
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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