研究課題/領域番号 |
15K14300
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
加藤 之貴 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20233827)
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研究分担者 |
劉 醇一 千葉大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70376937)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 電気分解セル / 水素 / 水 / 非定常電力 / 再生可能エネルギー |
研究実績の概要 |
再生可能エネルギーの普及に伴い、その不安定な非定常電力の活用が今後重要である。固体酸化物電気分解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell)による高温水電気分解は効率良く水素製造が可能である。本研究は再生可能エネルギーの余剰の非定常電力を活用したSOECによる水素製造が目的である。従来のSOECの課題は大面積化が困難な点である。そこで金属基板上にSOEC層を形成した金属基板SOECを開発した。 SOEC層はカソード(LSCF)|電解質(YSZ)|アノード(酸化ニッケル+YSZ)層とした。別途、SOEC単体での水電気分解を進め、水素生成を確認し、このセル構成で水電気分解が可能であることを確認した。次いで、金属基板SOEC単層セルを作成した。サイズはボタンセルとして直径20 mmの金属基板SOECを準備した。ガス拡散向けのμmオーダーの細孔を多数開ける。電解質YSZ層の作成には通常1500℃以上の高温過程を要する。そこで低温焼結材料とYSZ微粒子の複合材料を塗布した形状とした。金属基盤とカソード層間には金属拡散防止層を形成させた。金属基盤の細孔によりSOEC層が不均一になる傾向があったが、成膜条件の最適化によりSOEC層が均一なセルがこの手法で形成が可能であることを示した。 この手法により、SOECの大面積化が可能となる一定の見通しを得た。このセルにより再生可能エネルギーの非定常性で発生する大量の余剰電力を水電気分解により水素として貯蔵、利用できる可能性を見出し、再生可能エネルギーの一層の普及に向けた技術対応の可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存では検討のほとんど無い、金属基板SOEC単層セルを作成した。サイズはボタンセルとして直径20 mmの金属基板SOECを準備した。電解質については酸素イオン拡散性を有するYSZを主材料にした、通常は1500℃以上の昇温過程を要する。そこで低温焼結材料とYSZ微粒子の複合材料を塗布した形状とした。この手法によりガス拡散向けの細孔を有した金属基板上にSOEC層を形成が可能であることを示した。
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今後の研究の推進方策 |
種々の温度域、温度変化での基板とSOEC層の接合性を確認し、金属基板の候補材料を選定する。成膜条件の最適化を進める。得られたボタンセルは両面を管状のガラスを間にしてセラミックチューブで挟みを電気炉内に設置し水蒸気電気分解試験を行う。反応温度、水蒸気分圧を固定した後、ポテンショメーターを用いて電流-電圧を印加し電気分解特性を測定する、同時に発生水素量をガスクロマトグラフィーで分析し、電気分解効率を明らかにする。電気分解時間に応じたセルの耐久性を確認する。セル使用後はセル断面を観察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
金属基盤の100μm以下の細孔を作成するのに特殊な技術が必要であり、その作成に想定外の長い期間を要した。このために材料の評価をより正確に行うために、研究時間が次年度に渡る必要となり、評価に必要な消耗品の購入が次年度にたったため。
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次年度使用額の使用計画 |
セル評価に必要な消耗品としてガラス管、SOEC触媒材料の購入に利用する。
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