アンモニアの高密度貯蔵法として,塩化ニッケルによるアンモニアの吸収・放出反応に着目し,塩素ガスを用いたニッケルワイヤーの直接塩化物化による反応層・伝熱層一体型の高伝熱性反応素材の調製ならびにアンモニア貯蔵容器の開発に取り組んだ。 実験では,熱重量分析装置を用いてニッケル粉末の塩化物化における反応温度,塩素ガス分圧の影響を明らかにした。さらに,ニッケルワイヤーの調製では,塩化率が温度によらず反応時間に対して直線的に増大し,本実験範囲内では873 K,塩素ガス分圧48.9 kPa,6時間で最大の塩化率になることを示したが,塩化率の一層の向上とアンモニア化物の剥離抑制が必要であることを明らかにした。
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