神経毒DSP-4投与は、タウオパチーモデルマウス(PS19)の大脳皮質、海馬および嗅内野においてノルアドレナリンの減少、タウオパチー発症早期でのタウ病理の出現ならびに生存率の低下を促進した。本結果はノルアドレナリンがタウ病理形成拡大を修飾することを示唆し、認知症発症機構の解明と治療薬開発の新規の標的を提案するものと考えられた。また、オリゴマー状およびコンフォメーション依存性抗タウ抗体の反応性が細胞内および細胞外タウで異なり、これらの抗体を用いた免疫化学的手法は、タウ病理伝播に重要と考えられる細胞外タウの解析とタウ病理形成伝播機構の解明に応用可能と期待される。
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