研究課題/領域番号 |
15K14344
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
白尾 智明 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20171043)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | GAP 結合 / ドレブリン / コネキシン / アストロサイト |
研究実績の概要 |
GAP 結合機能のオン・オフに関与するドレブリン-コネキシン連関が直接的結合なのか、間接的な結合なのかを明らかにするために、本年度は、まず培養細胞内においてコネキシン43 とドレブリンEの結合を検証する系を作成した。myc タグ付きドレブリンEとHAタグ付きコネキシン43、CMV-EGFPをHEK細胞に種々の条件で遺伝子共導入し、蛍光顕微鏡により導入効率を検討した。また、ドレブリンのコネキシンの結合はGAP結合の活性化を誘導することが知られているので、遺伝子共導入した場合とCMV-EGFPの単独遺伝子導入した場合の、GFP蛍光像を比較したが、著明な相違はなかった。次に、遺伝子共導入したHEK細胞のライゼートをウェスタンブロットで解析した。抗mycマウスモノクローナル抗体(9E10)、抗mycラビットポリクローナル抗体及び抗ドレブリンモノクローナル抗体(M2F6)のいずれを用いても同程度の感度で、myc タグ付きドレブリンEを特異的に検出することができた。同様に、抗HAラットモノクローナル抗体(3F10)、抗コネキシン43ラビットポリクローナル抗体及び抗リン酸化コネキシン43ラビットポリクローナル抗体(S368)のいずれを用いても同程度の感度で、HAタグ付きコネキシン43を特異的に検出することができた。次に、アストロサイトを用いて同様の実験を行った。アストロサイトでは抗ドレブリン抗体、抗コネキシン抗体を用いた場合は、myc タグ付きドレブリンEやHAタグ付きコネキシン43に加えて、内在性のドレブリンEおよびコネキシン43を検出することができた。最後に、抗mycマウスモノクローナル抗体(9E10)を用いて、免疫沈降法によりmyc タグ付きドレブリンEおよびその結合タンパク質を回収する系を開発した。この系を用いて、現在ドレブリンEとコネキシン43の結合部位の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
免疫沈降法でドレブリンとコネキシンの共沈降を調べる際に、種々のバッファーにより検出感度が大いに変わるので、バッファーの選択をするのに予定以上の時間を必要とした。また、ドレブリンと結合しないコネキシンと結合しているコネキシン43の分子量が異なっていることが示唆されたため、その違いの詳細を再検討する必要が出現した。以上の理由により、実験の進行がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、平成27年度に決定したバッファーを用いた系を使うことにより、当初の研究計画に従って、ドレブリン-コネキシン結合が、ドレブリンのリン酸化・脱リン酸化により制御されるかどうかを明らかとしていく。さらに、ドレブリンのリン酸化がアクチン細胞骨格を介してGAP 結合機能のオン・オフと関与している可能性を解析する。実験の遅れを取り戻すために、実験に用いる細胞培養の作成頻度を上げて対応する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は予定していた細胞培養補助者が採用できなくなった。また、実験の進行がやや遅れてしまったため、予定していた海外学会での発表ができなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に予定した海外学会での成果発表を平成28年度に行う。また、細胞培養補助者を新規採用する予定である。また、平成27年度の実験の遅れを取り戻すために、細胞培養の頻度を上げて対応するため、物品費が多くかかるが、当初の請求分を超える部分を、次年度使用額で賄う予定である。
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