研究課題
グリア細胞は神経細胞とともにシナプスを構成し、シナプス機能を制御する。本研究では、コネキシン43とドレブリンの結合様式、およびコネキシンードレブリン相互作用によるGAP結合の機能調節メカニズムを明らかにすることを目的とした。27年度は、HEK293細胞およびラット大脳皮質から調製したアストロサイトにコネキシン43およびドレブリンを強制発現させ、共免疫沈降によりコネキシン43とドレブリンの結合を確認した。同時に効率的にコネキシンードレブリン複合体をプルダウンするバッファーおよび抗体の組み合わせを選定した。また、全長ドレブリンはコネキシン43と複合体を形成する一方、N末端変異体ドレブリン(アミノ酸1-233)は複合体を形成しないことから、コネキシン43―ドレブリン複合体の形成には、ドレブリンのアクチン結合領域2(アミノ酸233-317)が重要であることが示唆された。そこで28年度は、ドレブリンのリン酸化状態によるコネキシン43との結合の変化を明らかにするために、HEK293細胞に野生型ドレブリン、リン酸化擬態型ドレブリン(セリン142アスパラギン酸)および脱リン酸化擬態型ドレブリン(セリン142アラニン)をコネキシン43とともに発現させ、共免疫沈降を行った。その結果、野生型、リン酸化、脱リン酸化擬態型、いずれもコネキシン43と複合体を形成した。本研究により、ドレブリンはアクチン結合領域2を介してコネキシン43と複合体を形成することが明らかになり、このことから、アクチン繊維、コネキシン43のドレブリンへの結合の変化がGAP結合の機能の変化に寄与していることが示唆された。また、セリン142番のリン酸化の変化がコネキシン43との複合体形成には影響を与えないことから、この部位のドレブリンのリン酸化はコネキシン43との複合体形成には直接的には関与しない可能性が示唆された。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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